ヨガはキツい?飽きる?続かない?無理なくヨガを習慣化できる方法とは②
Category ヨガ全般
ヨガを始めるきっかけは人によって様々ですが、実際に始めてみると、
「身体も硬くて運動不足の私にはしんどいなあ〜」
「あまり楽しくない、飽きてきちゃった」
というような状態に陥るのもまたよくあること。
なぜそうなるかというと、そもそも何のためにヨガをするかという本質とズレた時に起こると思います。
ではどうしたら良いのか。
そのポイントをおさえながら、ヨガの練習をしていきましょう。
①自分一人で頑張らない
②ポーズ(アーサナ)だけをやらない
③気持ちよさにも種類がある
今回は②の解説していきます。
② ポーズ(アーサナ)だけをやらない
ヨガと聞いて、ポーズをする様子をイメージする人が多いのではないでしょうか。
しかし、ポーズだけがヨガなのではありません。
むしろ重要な教典の一つとされる『ヨガスートラ』にはポーズのやり方は出てきません。
ほとんどポーズ(アーサナ)については具体的に書かれていないのです。
なぜなら、ヨガの最終目的は「サマーディ(悟り)」に至ることであり、そこへ向かう為に『ヨガスートラ』には主に心をうまく扱う方法が書かれています。
「ヨガ」という言葉には、「道」や「行法」という意味があるように、日々の行いや瞑想を通してサマーディを目指します。
ヨガは元は、心を扱うものでしたが、とても難しいので、体からのアプローチの方が多くの人にわかりやすく、後にその方法がとられていったという経緯があります。
現代的なヨガでは体を整えることを主目的としていることも多く、本質には触れないまま、ポーズの練習のみをしているケースが大半を占めるのではないでしょうか。
でも、それでは他のエクササイズとなんら変わりませんよね。
体を動かすことによる健康効果はもちろんありますし、運動後の一時的なスッキリ感や、できないポーズができるようになっていくことでの満足感は得られますが、せっかくヨガを選ぶのでしたら「ヨガをする意味」を見出し、実際に自分の体や心を通して体験していく方が本質的だし魅力的だと私は思うのですが、いかがでしょうか。
安定感、ブレない心、穏やかさ等を育むことができ、始める前の自分とはまるで世界の捉え方が変わることに気がつくと思います。
具体的にはどんなことをすればいいかというと、次の5つを同時に実践することをおすすめします。
⑴朝の過ごし方
⑵バンダ
⑶呼吸法
⑷アーサナ(ポーズ)
⑸瞑想
他の生活習慣により個人差はありますが、ポーズ(アーサナ)のみを練習するよりもずっと変化が早く感じられると思います。
そして、わかってはいても中々抜け出せない悪習慣も自然と改まっていきます。
⑴朝の過ごし方
以前のコラムでディナチャリアを紹介しました。
理想的な朝の過ごし方「ディナチャリア」
①白湯を作り始める
②口内を清潔にする
③白湯を飲む
④体を清潔にする
⑤バンダ、アーサナ、瞑想、呼吸法など
⑥日常の生活を開始する
ポーズより何より、これを順番に実践するのが体が整うには一番だと感じています。
並べて書くと、朝からこんなに⁈と思う方もいるかもしれませんが、実際にやってみると意外と簡単です。
そして、とても心地が良く1日をスタートできるので、義務感なく取り入れることができると思います。
ポーズで体を動かしていても、夜更かししたり、食事の内容がよくなかったりといった悪習慣が抜けないと効果は感じにくいものです。
人には慣性の法則がありますので、最初の2〜3日は意志が必要になるかもしれませんが、まずは順番にできるところまでやってみましょう。
そこを過ぎればもうなんてことないし、身体の調子が明らかに良くなるのを感じられるはずです。
④の体を清潔にする、つまりお風呂かシャワーですが、これはポーズ等の練習の前に入ります。
汗をかくかもしれないし練習後の方がいいのでは、という気持ちはよくわかりますが、先にするのは、身体を清める行為だからです。
ヨガでは行動ののひとつひとつが神聖な行為とみなします。
ですから、先に身体を清めましょう。
これをやるとやらないでは、朝の調子やポーズの感じ方も変わってきます。
とりあえず、やってみましょう。
やればわかります。
朝からこんなにするの?無理…その分寝ていたい、と思われる方もいるかもしれません。
でも、この全てがヨガの練習に含まれます。
ですから、ポーズだけをやるよりも、一連でやった方が自分の心身の変化を早く、大きく感じられますし、練習も深まります。
どちらを選びますか。
モーニングルーティンとしてしまえば、大して時間もかからず、しかもその効果は絶大です。
⑵バンダ
バンダというのはプラーナの流れに関係し、生命力を高める練習です。
バンダとは、サンスクリット語で「締める」「ロックする」「閉じ込める」という意味があります。
代表的な3つのバンダは以下、
・ムーラバンダ(肛門、骨盤底)
・ウディヤナバンダ(お腹)
・ジャーランダラバンダ(喉) です。
バンダには、呼吸が深まり体が整う効果があります。
朝に行うことで、生命力を高め、その日を実の良い1日として過ごすことができます。
バンダはアーサナの前に練習しましょう。
ポーズの安定感が違ってきます。
ただ、バンダの練習にはコツがあります。
他を一切脱力し、その一点だけを使うようにしなければ、効果的に行うのは難しいでしょう。
私も本を参考にしたり、あるいはスタジオ等で習っても、しばらくは掴みづらかったです。
ポイントさえ押さえれば、バンダは感覚として掴むことができます。
徐々にできるようになるというよりは、ある時突然、あ!これか!となるケースが多いようです。
ハーモニアスではバンダのクラスも行う予定なので、興味のある方はぜひ受けてみてください。
⑶呼吸法
ヨガには様々な呼吸があります。
少しの時間、座るか仰向けになり、呼吸に意識を集中する時間をとりましょう。
意識を向けるというのは何気ないようで、すごいことです。
呼吸に意識を向けると自然とゆっくりとしてきます。
まずはそこから。
そして、肺の制限を外すウジャイ呼吸法。
こちらもクラスやコラムで詳しくご紹介します。
呼吸を意識することを習慣づけていると、緊張する場面でも、落ち着きを取り戻すことができます。
どんな時も平常心、いつものリラックスした自分でいられるというのは、とても強いです。
呼吸法は、個人的にはQOLの向上にとても役立つ実感があります。
⑷アーサナ(ポーズ)
アーサナの練習で大切なのは安定して快適であること。
その為には、丁寧に、動作のひとつずつを確認して行うのが良いですね。
心が落ち着いた状態であることも大切です。
練習中はもちろん、日常生活でも怪我やトラブルを防ぐことに繋がります。
そして、前回のコラムでも書いたように、自分の力だけで頑張ろうとせず、身体の自然な動き、地球のサポートに任せること。
不思議と頑張って練習していた時よりも、スムーズに深まっていくものです。
⑸瞑想
アーサナ後や、午後の休憩を兼ねて、寝る前など、1人の時間をつくり、少しずつでも静けさの中に身を置いてみましょう。
座っているのが辛い場合、瞑想に慣れてない場合には寝た姿勢の方がやりやすいでしょう。
体の違和感は集中力を妨げます。
ムズムズと動きたい感じがしたら、いつでも姿勢を変えて構いません。
続けるうちに、一定の姿勢を保っても辛くないように体や心が整っていきます。
雑念が浮かぶのはよくあることだと言われたりもしますが、実際に瞑想に入っているのならば浮かぶことはありません。
それは瞑想の前段階ということですね。
まずは心地よく、安定した姿勢になりましょう。
そして、いつもよりもゆっくり、自分が思うよりさらにゆっくり、呼吸をしてみます。
その呼吸に意識を向けましょう。
呼吸には様々な要素があります。
空気が通る感じ、鼻の中の温度の変化、鼻の穴が膨らんだり戻ったりする感じ、など数えきれない程です。
呼吸を全体的にざっくり意識しているよりも、
それらを具体的に観察していると、集中できますし、意識が外れにくくなりますので、試してみてください。
はじめのうちは難しく感じるかもしれませんが、少しずつ取り入れて、瞑想をすることに慣れていきましょう。
これら⑴〜⑸はどれも欠かすことの出来ない要素です。
全てがヨガの練習だからです。
そして、ヨガ的な行動の指針としては8支則のうち、ヤマ・ニヤマもあります。
これらはそれぞれ、してはならないこと、すべきこと、と訳されることが多いですが、何か自分を縛るものとは捉えないでほしいのです。
このコラムで述べたような、包括的に、ヨガ的な生活を実践していれば自然とそうなります。
早寝早起きは基本ですが、この生活では夜更かしのしようもありません^ ^
自動的に心身が整います。
そして一度整った状態を体験すると、これまた自然にその生活を続けたくなります。
まずは自分が心地よさを味わい、それを自分のスタンダードにすること。
それが変化への近道です。